941 保健体育のにゃも先生1/5 sage New! 2009/07/31(金) 01:57:24 ID:cf0DIhNe

「…おはよ〜」
「だから朝じゃない」
「あたしが起きたから朝」
「だーまーれ。もう昼だよ」
私、黒沢みなもの夏休みの宿題は、ゆかりを叩き起こすこと。
いや、この宿題は年中無休か。
「とりあえず、座らせてもらうわよ」
「にゃも」
「なによ?」
「…お邪魔しますは?」
「さっき玄関で言ったわよ!」
こいつってば…私の苦労も知らずに!
夏休みなのに早起きして、あんたからの連絡待って、こなければ私が出向く。
なに?これが教師の夏休み?
ふざけんじゃないわよ。
私もつくづく甘いわね、こいつに…。

「はい、夏休みです」

「いえーい」

「夏休みといえば?」

「睡眠!自由時間!」

「去年から進歩なしね、あんた。やる気あるの?」

「ありましぇ〜ん」

毎年繰り返されるやり取り。
もう次にどんな言葉がくるか、わかってしまう。
とりあえず、何年かかってもいい…やる気あるの?の次にYESがくるようにせねば。


 

942 2/5 sage New! 2009/07/31(金) 01:58:36 ID:cf0DIhNe

「今、12時」
「うん」
「予定表できた?」
「ほい」
「…12時………、12時も睡眠?」
「うん」
去年の12時は、自由時間だったっけ。
睡眠の割合が増えてるって一体…これは深刻である。
私の努力の結晶を、こんなとこで砕け散らせるもんですか。

「ダメです、外に出なさい」
「んだよー、おまえ先生かよー」
「おまえもな」
「んだよー、おまえ体育教師かよー」
「言い直してもダメ!」
バシッとだらし無い予定表に手を叩きつける。
短く声を上げてのけ反ったゆかりは、渋々と書き直しに入った。
ぶつぶつ言いながらも、最後は言う事をきいてくれるのが、ゆかりだ。
こいつには押せ押せよ。
「でーきたー」
ゆかりが胸を張って、予定表を差し出してくる。
その内容は全く変わっていない。
「………」
「ダメ?」
「ダメ!」
もう頭にきた!
今日という今日こそ、私の思うように動いてもらうわよ。
世界が自分を中心に回ると思うな!ゆかり!


「―ぅわ、痛い痛い!なにすんのよー?
「外、出るわよ。近所のスポーツセンターに行く!」
「えー、まだ着替えてもないのに…」
「なら早く着替えなさいよ」
「えー、でも面倒じゃん…」
私が繋がった腕を引いても、ゆかりは口を尖らせて動こうとしない。
…ったく、今日は一段とわがままだ。
飲み以外で、私と外に出るのがそんなに嫌?
私とは酒がのめればそれでいいのかしら?
こんなに想ってやってんのに、ひどいわね。
なら、私にも考えがあるわよ…覚悟なさいよね。

 

943 [―{}@{}@{}-] 3/5 sage New! 2009/07/31(金) 02:00:07 ID:cf0DIhNe

「えっと、外で体を動かすのは嫌?」
「当たり前だろー、そんなん聞くなよ」
「なら家で出来る運動にする?」
「そんなんあんの?さすが体育教師ー!」
いつもは馬鹿にする時に使うくせに…わかりやすい奴ね。

「まぁね。体育……保健体育の教師ですから」

「ん?なんかゆった?」
「ううん。なんに…も!」
「……あ?」
掴んでいた手をグッと押せば、すぐ後ろはベッド。
バランスを崩したゆかりは、豪快にベッドに沈み込んだ。
起き上がろうにも、布団に手足を取られてすぐには無理ね。
「よいしょ、っと」
頑張ってもがいてる間に両手を絡め捕って、ゆっくりとゆかりの上に乗る。

「さ、始めましょうか」
「待った!にゃも、あんたなに―――」
暴れる身体は圧倒的な身体能力差で封じて、うるさい口は私のそれで塞ぐ。
抗議の声を上げようとするから、隙間から簡単に舌を侵入させる。
途端に身体が硬直するゆかり、可愛いとこあるのね。
外はとても静かだけど、口内では追いかけっこ。
それも長くは続かず、逃げ回るゆかりの舌を捕まえて、ねっとりと味わう。
「……ん、はぁ…っ」
時折、苦しそうな声を漏らすけど、開放なんかしてあげない。
恨むのなら、だらしのない自分を恨みなさいよ。


944 4/5 sage New! 2009/07/31(金) 02:02:18 ID:cf0DIhNe

私が満足するまで味わって、それから口唇を開放してあげる。
耳まで真っ赤になったゆかりは、睨みつけながら震える声を漏らす。
「は……!にゃもっ…あんたね…こーゆうのは…」
「なに?」
「好きな男にやんなさいよ…」
熱に侵されて潤んだ瞳は、今にも泣き出しそうで、なかなか扇情的だ。
「なにそれ、誘ってるの?」
「はぁ?あんたバ、かぁ…っ」
言葉を遮るように、クーラーが効き過ぎた部屋に冷やされた掌を、ゆかりの服に侵入させると
おもしろいくらいに身体をくねらせる。

「私、バカって言われるの、一番嫌いなのよねぇ…」
「ぁ、謝るから…っひ、ごめ…んんっ」
お腹からゆっくりと撫で上げて、胸をやんわりと揉むと、とうとう瞳の端から一筋の涙が滑り落ちた。

「冷たいの?」
「んん、っ…」
「感じてるの?」
「にゃものば…か………あぁっ!」
つんと上を向いた頂を軽く弾いてやると、ゆかりの身体がぴくんと跳ねる。
「私、それ嫌いって言ったわよね?」
「にゃもぉ…ごめん、ごめんなさいぃ…」
「んー、ゆるさない」
だって…ちょっと懲らしめるだけのつもりだったのに、ゆかりのせいで本気になっちゃったんだもの。

「え――――あっ、」


 

945 5/5 sage New! 2009/07/31(金) 02:03:19 ID:cf0DIhNe



「すんごいつかれた…」
「でしょ?だから、明日からは外で運動しましょ」
ベッドの上でぐったりとしたゆかりをよそに、私はさっさと服を整える。
余韻に浸ってしまえば、多分私はやみつきになるから。

「ねぇ、」
不意に、ゆかりがベッドから這い出す気配。
「にゃも?」
間もなく両肩にゆかりの体温と、耳元に甘い猫撫で声。
あぁ、嫌な予感。
「明日も来てくれるんだ?」
「…まぁね」
ゆかりが甘え出した時点で予想はできた。
するりと腕が首に絡み、熱い吐息が耳にかかって。
「また運動しようね、にゃも…?」
「――っ、ばか」
明日はお休みするために、今日もう一回。
そう言い訳して、私はまた、ゆかりの口唇に噛み付いた。
夢中にさせさせられじゃ意味ないのになぁ…外に出さなきゃ。

…ま、こんなどうしようもない女だから、私だけがダメな奴って叱りながら愛してやる。

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