50 名前:[メンテナンス] ◆uS1Hx4I012 :04/10/29 08:20:35 ID:3vUcpRuT
(1/6)

 爽やかな秋晴れの朝。智はまだ俺のすぐ側で穏やかな寝息を立てていた。
 彼女は毎朝たいてい俺より早く起き、元気一杯に俺を叩き起こす。
 起きる順番が逆転しているという事は、今月もそろそろ……。

 俺は智を起こさないように気をつけつつ、そっと寝室を出た。

 トイレに行った後、台所で熱いコーヒーを淹れ、トーストにバターを塗り、それらを持ってリビングルームに移った。
 ガラスの天板のテーブルにコーヒーとトーストを置き、テレビを付ける。音量はもちろん落とす。
 俺はすぐ側のソファに座り、ゆっくりとコーヒーを飲み始めた。外はまだ静かだ。

 俺がトーストを平らげたちょうどその時、智が寝室のドアを開け、リビングルームに入ってきた。

「うおっす」
 智は半分寝ぼけたような、どんよりした様子で朝の挨拶をした。
「うおっす」
 俺も挨拶を返す。彼女は俺の側に歩みより、腰を下ろした。
「う〜っ……気〜だ〜る〜い〜っ」
 彼女はちょっとつらそうにつぶやく。それに対して俺もつぶやく。
「……始まったのか」
「そーなのー。もー、肩は凝るし、胸は張って痛いし、お腹も腰も重いし、手足もだるいし、立ちくらみはするし……絶不調〜〜」
 智は甘えた口調でそう言い、俺に抱きついた。

51 名前:[メンテナンス] ◆uS1Hx4I012 :04/10/29 08:23:51 ID:3vUcpRuT
(2/6)

「と、いうわけでー、いつものやつ、おねがいー。今日は二人とも警察お休みだからー、フルコースでやってちょーだいっ」
 智はそう言ってソファから床へと腰を下ろした。
「ほんと、智は生理が来ると輪を掛けて甘えんぼさんになるな」
「だぁーって、体がそうできてるんだも〜ん」
 更に、早く始めてくれと言わんばかりに眼で訴える。
 以前、たまたま俺がひどく疲れていた時に断ろうとした事があったが、
その時は智にマジ泣きされたあげくふさぎ込まれ、機嫌を取り戻させるのに半日を費やした。
結局のところ、俺に選択の余地は無い。
 やれやれ。俺は心の中でつぶやきつつ、ソファに座ったまま体をずらし、智の後ろに着いた。
まずは肩からだ。
 智は微笑を浮かべて俺の動きに合わせ、すぐ前のテーブルに両の乳房を載せ、伏せた。
こうすると、乳房を吊り下げている肩や胸の筋肉の負担が減って気持ち良いのだと言う。
 彼女の乳房は平均サイズだが、生理の時は乳腺が張って1ランク大きくなり、重くなる。
 俺は、力の抜けた彼女の両肩を揉み始めた。かなり凝っている。

「んんっ、んふうぅ……」
 智は気持ち良さそうに小さな喘ぎ声を漏らした。俺は肩を揉む手に力を込める。
実際、「こんなに思いっきりやっていいのか?」とちょっと心配になるくらいの力加減でちょうどいいらしい。
 時々は肩から手をずらし、後ろの首筋も揉んでやる。こちらはいくぶん力を緩めて。

52 名前:[メンテナンス] ◆uS1Hx4I012 :04/10/29 08:26:18 ID:3vUcpRuT
(3/6)

 10分ほど揉み続けて手が疲れてきた頃、智が俺に次の指示をする。
「次は胸、お願い」
 彼女は上体を起こし、パジャマをまくり上げ、ブラジャーを外した。
俺の両手を両の乳房に導く。俺は掌で乳房を優しく包み込み、
人差し指と中指で乳首を軽く挟む。
 胸の場合は肩の場合と全く違い、ほとんど力を入れない。
揉むというよりはむしろ、包み込んだ掌を微かに震わせるというか、
掌で暖めてやる、といった感じだ。
 普通の日と同じやり方で胸を揉むとひどく痛がる。

「は……あぁ……」
 いくらか陶酔を帯びた吐息。

 どのくらい、そのままの姿勢でいたろうか。
しばらくして、智は再びソファの上に座った。
「次は……腰ね」
 そう言って背を向ける。俺はソファから降りて床に座り、左腕で彼女の腰を抱え込んだ。
右の拳をいわゆる『一本拳』の形に握り、彼女の子宮の位置に近い高さにある腰の両側のツボを、
ぐりぐりと強く押してやる。
「ん、ん……」
 前に一度どんな感じかと聞いた事があったが、
子宮が収縮して経血がスムーズに押し出される感じがよく分かる、らしい。
生理期間も少し短くなるのだそうだ。

53 名前:[メンテナンス] ◆uS1Hx4I012 :04/10/29 08:28:58 ID:3vUcpRuT
(4/6)

 満足するまで俺に腰のツボをマッサージさせた後、
智はソファに寝そべり、仰向けになった。
「腕と脚、お願い」
 彼女が言うには、生理の時は体のあちこちがサボるが、特に心臓がサボり、
低血圧で気分が悪くなる、らしい。
 血の巡りが滞りがちになったせいか、手にも足にもいつもより
くっきりと静脈が浮いている。
 俺は、彼女の静脈の血が心臓に戻るのを促すべく、手や腕・足や脚の
末端から根本へとさすってやった。
 あちこちマッサージして血の巡りが良くなってきたのか、彼女の顔は
微かに上気してきた。

 ひとしきりさすり終えると、智は俺の両手をお腹へと導いた。恥じらいながら。
「じゃあ……仕上げに……お腹のマッサージ……お願い……」
 いかに俺を相手にとは言え、お通じを良くする為のマッサージをせがむのは
未だに恥ずかしいらしい。
 男の俺には実感できないが、女性ホルモンの変動で腸の働きが鈍るというのは
すごく難儀そうだ。
 俺は何も言わずに彼女の言葉に応じた。
 まず、臍の周り半径5センチぐらいの円に沿って時計回りに、力加減に
注意しながら指圧していく。

54 名前:[メンテナンス] ◆uS1Hx4I012 :04/10/29 08:31:15 ID:3vUcpRuT
(5/6)

 俺は指圧のラインを少しずつ外に広げていった。
やがて、彼女の右下腹部――小腸と大腸の境目の辺り――に辿り着く。
そこで俺は右手の指を揃えてまっすぐ伸ばし、ずぶずぶとゆっくりめり込ませていった。

 ぐりゅっ。
 はらわたが動くのが感じ取れる。

「……うくぅっ!」

 智は小さく悲鳴をあげた。慌てて力を加減しなおす。次いで、
左手を右手と同じ形にして右手の側に置き、同じ位の力加減でそっとめり込ませた。
 腸の内容物がしこりのように感じ取れる。
 俺は指圧する左手を大腸の向きに沿って動かしていった。右手はそのままだ。

「んっ! あ……あっ」
 羞恥心に顔を染め、唇を噛み、小さくうめく智。
俺の左手が大腸の真ん中と思しき辺りまで達した時、彼女は俺の両手をつかんで止めた。
「……もういいわ……ありがと」
 彼女は起き上がり、トイレへと急いだ。
 トイレのドアだけでなく途中の通路のドアも閉められ、こちらからは様子を伺えなくなった。

55 名前:[メンテナンス] ◆uS1Hx4I012 :04/10/29 08:33:22 ID:3vUcpRuT
(6/6)

 俺はぼうっとして座っていた。何分かして水の流れる音だけが微かに聞こえる。
この後、智は熱いシャワーを浴びに行くはずだから、こちらにはしばらく戻ってこない。
 俺はテーブルの上に置いたままになっていたコーヒーカップと皿とを片付けた。

 更に待つ事、十数分。智が戻ってきた。
黒いレースのブラジャーに黒い生理用ショーツだけを身に着け、
肩にはバスタオルを掛けている。

「はぁ〜っ、……ようやく、あたしのカラダ、目を覚ましたわ」
 だいぶいつもの元気さを取り戻してきたようだ。
 智は俺の側に歩みより、ソファに座っていた俺を押し倒した。
「いつも通り、お礼に抜いたげるね。今日は非番。じっくり時間を掛けて、
気持ちよくしてあげる」

 俺と智は、生理中はセックスしないようにしている。生理中にセックスすると、
剥がれた子宮内膜が経血と共に逆流して腹腔内に散らばり、子宮内膜症の原因に
なりうるという文を『家庭の医学』かなんかで読んだからだ。
 そのかわり、と言ってはなんだが、俺が智の体を『メンテナンス』してやると、
智は俺のモノを口に含み、精液を飲む事さえしてくれる。

 俺はパジャマのズボンをずり下ろされる。智に鷲掴みにされた俺の陰茎は、
早くも痛いくらいにギンギンに勃っていた。

[完]

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