「僕に話しかけられないから、どうせ相手してもらえないからって、そうやって
一人で気を紛らわせてるんだね」
「うう……そうなの。私、バカだから……んっ」
自分の胸をいじめ、その感覚に背中を震わせる。それをあこがれの人に
見られていると想像することで、ますます羞恥心が煽られ、そして羞恥心を
快感として受け止めていく。
「はぅ……。う……声、でちゃうよぉ……」
彼女はいよいよ、下着を取り払い、自分できつく閉じた両足の間に手を
潜り込ませた。この間、穴そのものよりも、近くの突起部を触った方がいいと
自分で探り当ててから、いつもそこをなぞっては声を抑えるのに苦労している。
「やれやれ……。中学生に見間違えられるような、色気のない子のすることとは
思えないね。そんなのが好きでたまらないなんて」
「あっ、ああ……。いわ……ないでよ……」
空想の中の冷たい視線と、彼女の指が、意識を高いところに押し上げていく。
さっきからずっと刺激しているせいで、まるで股の間が焼けているように熱く感じる。
あとは、彼の名前を呼べば、この前のように頭の中が真っ白になる感覚を
もう一度味わえるはず。
「へぇ、一人だけでイクことまでできるんだね、滝野さんは」
「……っ、ああっ! おおやま……く……んっ!」
視線に全身犯し尽くされたような錯覚を覚えた瞬間、彼女の意識は
ホワイトアウトしていく。快楽の頂点から転げ落ちながら、なかばろれつの
回らない口でつぶやいた。
「はぁ、はぁ、これじゃ……。また、明日学校でまともに顔見られないよ……」