一介の女子高生と言うよりは、もはや社会人、それもモデルか女優を名乗っても
罷り通るであろう顔立ち、スタイルの良さ―
「榊くん…」
そんな完璧(パーフェクト)ボディーを前にし、決して女性の裸に免疫がないではない、それどころか、
本来ならむしろ、積極的に手を出すべき木村自身の性癖をもってしても、
榊の裸体はしばし彼の息を飲ませた。
「………」
長い沈黙。
その無言の時間は、これから為される行為の合意とその確認。
ややキツい目付きの榊の視線が、最初は木村を正面から睨みつけていたが、やがてその視線を真横に逸らす。
その僅かな間隙を木村は見逃さず、その瞬間に榊の間合いに入り、その頭を両手で挟み、しっかりと
また自分の顔の方を向く様に力を入れる。
「!…っ!」
「榊くん。人と向き合うには、まず相手の顔を正面から見なければ」
既に木村の舌は、榊の唇の表層を蹂躙するだけに留まらず、その口腔内に侵入していた。
「ッ!…ンン〜っ!」
榊は初めて異性の舌が自身の口に入り込む未知の感触に、単なる息苦しさと同時に、意識が朦朧とし、
蕩ける様な、不思議な高揚感を覚えていた―