「とも…私の恋人になってくれ!」
「へ…よみ、何だいきなり…恋人って…え?」
二人の他には誰もいない、放課後の教室。
突然の眼鏡の少女―水原暦―の告白に、ショートカットの少女―滝野智―は我が耳を疑った。
しかし暦の眼差しは、真剣その物で。
続けて出てきた言葉は、それを裏打ちして。
「あんたは、無味乾燥な私の生活をすっかり変えた。
砂漠のような私の心を、あんたが潤した。
すさんだ子供だった私を、あんたが変えてくれた。」
「は…私たち、女同士だよ?」
「あんたじゃなきゃダメなんだ。
男子と付き合っても、ひとつになっても、こんな気持ちにはならなかった。
どんな男子だって、あんたには適わない。
私がこの世に生まれ落ちたときに忘れてきた自分の一部、智、あんたがそうなんだよ。
こんなにぴったりくる相手は、他にはいない。
あんたが…欲しい!」
「うわぁ、何すんだよよみッ!」
ガラガラと、倒れる机。
打ち付けられた背中の、痛み。
床の、冷たいリノリウムから伝わる冷気。
不意に硬い床に、智は押し倒されたのだ。
暦は、その長い髪を肩から垂らしながら、智の身体に馬乗りになっていた。
ニーソックスに包まれた暖かな暦の太股の、